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先日亡くなった名翻訳者山岡洋一氏の最後の訳書だとされる、ジョン・スチュアート・ミルの「自由論」の邦訳である。日経BPクラッシックとして新たに出版された。
しかしだ、語尾や接続詞や若干の名詞を除いて、今は絶版になっている光文社古典新訳文庫版の「自由論」とほぼ同じで、大きな差異を見つけられない。その意味で安心して自由論の邦訳を読むことができるとは言える。
しかしだ、解説があまりにイタすぎるバカ解説になっているという「改悪」がかかっている。この解説者は明らかに「自由論」を丁寧に読んだことがない。なにせ、ほぼ「危害原則」だけで自由論を語るという、今どきの大学生の読書感想文にもめったにない荒業をやるのだ。しかも、解説中にポランニーの「暗黙知」とかハンティントンとかあまりに関係なさすぎる文章があちこちに出てくるので、解説者は書くことがないので単に解説文の分量を水増ししているだけだな、と思ったよ。光文社古典新訳文庫にあった、長谷川宏氏の比較的良かった解説にくらべて、これはあまりにヒドイ。
また、山岡氏の訳者あとがきについても、光文社古典新訳文庫版にはあったが、この日系BPクラッシック版には入っていないので、これも減点対象だろう。ただ、この訳者あとがきの大筋は山岡氏の翻訳通信に掲載されてあるので、現在は読むことができる。
『ミル自伝』翻訳の経緯
http://bit.ly/pz9SUQ
まとめると、この日経BPクラッシック版「自由論」は光文社古典新訳文庫版を持っている者には不用である。もちろん、原文を十分堪能できる英語力を持っている者にも必要ない。しかし、解説を読んで解説者を罵倒することで、頭をすっきりしたい向きにはおすすめする。 -
日本のメーカーが日本製品を海外展開するときに、日本製であることを強調して海外で失敗することがよくあるそうだ。この本は、日本の製品が海外の現地に浸透するようにするために、ローカライゼーション戦略の大事さを、事例を列挙することで強調した本である。著者のフィールドにあるイタリアの話題が多い。
いくつかのローカリゼーションに成功した例と失敗した例を列挙したあと、「ローカリゼーションマップ」なる商品の戦略マッピングの手法を提唱している。ここがどうも本の肝のようだ。しかし、この本をよく読んでいくと、結局重要なのは「カンと経験」に集約されるという元も子もないことがわかる。つまり最後は現地人や現地のコンサルを利用しないといけないじゃないかと思った。だから、「ローカリゼーションマップ」というツールを大々的に持ちだしてはいるが、このツールは結局現地スタッフとのコミュニケーションツールにしか使えなさそうで、どうも羊頭狗肉の感がある。
このように、この本は成功者・失敗者の事例研究としては面白いが、この本を読んでも「カンと経験」が大事という主張以外は、体系的なローカライゼーション手法は身につかなさそうなので、そこについては残念に感じた。増井 さんのアイテムから -
これはありえん!狂人が書いたとしか思えないトンデモ経済本。
なにせ、経済成長を取り扱っている本なのにも関わらず、経済成長や潜在成長率の定義を標準的な経済学が理解できずに勘違いした挙句、それに気づかずマイ経済成長を盾にひたすら標準的な経済学を批判するという、あまりにイタすぎる始末に、全米も騒然となるしかない。なんで、4時間の時間を割いて標準的なマクロ経済学の教科書を読まなかったのかね…。
これ、東大の社会学の大学院のセンセだってよ。イタすぎて笑いもおきねえ… -
この新書は面白かった。自民党で一期だけ川崎市議を務めた山内和彦氏の選挙模様を描いた「選挙」という不思議なドキュメンタリー映画がある。その映画監督(といっても監督でありカメラマンであり音響マンであり編集マンであり、と基本的に一人で全てをこなす)が書いた自分の映像作家としての半生記的随想である(といっても自分名義の作品は三作品しかないのだが)。
さすが受験戦争の真っ盛りに東大に受かるだけの努力とリテラシーを持ち合わせているので、文章がロジカルだし、自分のドキュメンタリー手法にも自覚的であり、本としてとても読みやすい。また、名門School of Visual Artsで訓練され、その後にフリーでNHKのドキュメンタリー等の制作で鍛え上げられた基礎体力があって、あの映像作品があるんだなと思わせられた。
あの「選挙」は音楽もナレーションも極度に無い不思議な映像だったが、どうしてそうなったのかがこの本に書いてあった。それは、一つはNHKドキュメンタリーにあるような、撮る前に台本を書き撮影はその台本通りの映像を掻き集めるといった「台本主義」を反面教師としていること、もう一つはフレデリック・ワイズマンへの敬愛と彼のドキュメンタリー手法であるダイレクトシネマへの傾倒なんだね。
この本で面白かったのは、筆者が「人間のやわらかい部分」と名付ける、映像対象の人物が思わず見せるホンネの部分の撮影について、現役の苦悩するドキュメンタリー作家としての試行錯誤を提示してくれているところだ。また、個人的に勉強になったのは撮影した映像を編集する模様を、"Peace"を題材に提示してくれているところだ。
この本は今公開中の最新作"Peace"の宣伝・PR・パンフレット的扱いでもあるみたいだ。たしかに"Peace"を観たくなったし、その後の作品も注目したくなった。 -
原著は間違いなく名著である。
この邦訳は章による翻訳の質の分散が大きい。ある章では珍妙で生硬な直訳ロック調の訳文が続き、読むと腸捻転が起きるほどである。ただ、自分も数年前に経験したからわかるけれど、ドイツ人の書く独語風の難渋な英語を邦訳するときの途方にくれる感はわからないではない。しかしそれでも読者としては、もう少し何とかできなかったのかという気持ちのほうが大きい。原著より多少安いからといって邦訳を購入したけれど、結局原著を買い直した。 -
現代的なマクロ経済学を勉強しないで、ローカルな市場調査ばかりをやっているとこういう間違った結論になるという、他山の石的な本。人口構造が経済にインパクトを与えるというのは、経済学では常識なのである。ここまではいい。しかし著者は日本経済が停滞している原因は、生産年齢人口が減って住宅や自動車を買わないから、つまり需要側の原因にあるとしているのだ。
しかし、現在の日本経済の低迷の原因は長期的な供給能力の低下であるというのは、真っ当な経済学の常識的な見解となっている。その意味でこの本は全く間違った原因に対する推論をし、そこに取って付けたようなおかしな処方箋を提示するというかなりトンデモな本である。この本を薦める論者は単に勉強不足か、考える能力が欠如しているか、なんらかの悪意があると思っていい。
一般的にGDPに対して影響を与える要因を探るには、需要サイドからのアプローチと供給サイドからのアプローチがある。需要サイドの要因(消費、投資、純輸出)は一年程度の短期的な影響しかなく、大きな変動を起こすことにはなるのだが、GDPの成長や経済成長にはあまり影響を及ぼさない。しかし、供給サイドの要因は(労働力、資本、技術)長期的にGDPや経済成長に大きな影響を及ぼし、まさに人口構造の変化はここにインパクトを与えるのだ。
いわゆる知的にダメな人間の振る舞いにはいろいろなプロトタイプがあるのだが、そのなかで短期と長期を区別できないというのは、かなり大きなプロトタイプであろう。ちなみにその他のダメ人間のプロトタイプには、数値で推論できないとか、微積分ができないとか、場合の数やパターンを列挙できないとか、相関と因果を取り違えるとか、外国語ができないとか、まあいろいろあるが。
一方でネットを検索すると、いわゆるリフレ派の高校教師がこの「デフレの正体」に、昔の学部マクロ経済学入門の三面等価の原則等から批判を加えている記事( http://bit.ly/poD95q )が見つかるが、これもかなりビミョウ。たしかにそこに書いてある貿易収支等の記述は間違いではないが、経済成長や金融政策に関する記述はどうしょうもなく間違っている。
こんなバカな新書やバカなネット記事を読むとたぶん確実に頭が悪くなるので、良い子は絶対にやめましょう。それよりも真っ当なマクロ経済学に基づいた以下の本を読むべきだと思う。
小峰隆夫
人口負荷社会
齊藤、岩本、太田、柴田
マクロ経済学
デイヴィッド・N・ワイル
経済成長 第二版メイちゃんの棺 さんのアイテムから -
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Tyler Cowenの2002年の”Creative Destruction”の邦訳。訳と解説がヒドイ。買ってはいけない邦訳本である。
http://kashino.tumblr.com/post/8730301068/via-amazon-co-jp
…この著作の中心概念の一つでもある”Lowest common denominator”を数学用語の「最小公分母」と訳すあたりはぶっ飛んだ。これはバカすぎ。これは大衆文化の共通する特徴のうち最も低俗なものを意味するのであって、”Lowest”は「最小」でなく「最も低俗な」であり、”common denominator”は「公分母」でなく、「共通点」とか「共通する特徴」だよ。この本の最も大切な述語の一つをここまで見事に間違えるとは、ある意味天才である。この本を全く理解できていないんだな。… -
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いや、これには爆笑。とくに武藤敬司コスプレなのにサインはグレート・ムタのくだりには近年稀に見る傑作とみた。水木しげるキャラコスプレとかも。準主人公のつねちゃんが僕の娘にそっくりなところもツボだ。
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とうとう買ってしまった。1971年の6刷で当時500円を5000円で。内容がすげえ独特。Neyman-Pearson流の有意性検定とはかなり違う。訳者の渋谷政昭さんと竹内啓さんの解説がないと読みこなすことが大変。というか、この解説がかなりイイ。
Fisherの立場はあくまで「推定」にある。ある仮説(帰無仮説)Aの実現確率が0.05であり、ある仮説Bの実現確率が0.01である場合を考えると、仮説Bのほうがより棄却されやすい、とする。これに対してNeyman-Pearson流はある有意水準を定めたらそれ以下は問答無用に棄却するので、どちらが棄却されやすいかなんて一切考慮に入れない。なるほど。
余談だが渋谷さんは統数研の極値理論の公開講座の講師であったので、昨年参加したときに質問しまくったことがある。80をかなり超えられているのにまだまだ矍鑠として、Rを活用していろいろな説明をされていた。
http://kashino.exblog.jp/11197625/ -
理科系野郎の定番アイテム。これを知らない人間を僕は理科系とは認めない。
東レのトレシーよりよく落ちるので(メガネの)レンズ拭きとして完璧。iPhoneやiPad、液晶モニターなどの画面拭きにもムチャクチャ合うのだ。ワイングラスやタンブラーなどのグラス磨き、シルバーウェア磨きにも活用できる。
学生時代からの何度も繰り返している失敗だが、ティッシュがないときに仕方ないからといってこれをテッシュ替わりにすると三回目くらいに鼻が内出血する。その意味で心して使わなければならない。 -
僕はこの名作をどう表現していいのかわからない。僕の語彙では正直うまく説明できそうにない。2年前にこれを読んでヨメと号泣した。


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byflow、どうして下書き機能、または公開をコントロールする機能がないのだろうか?持っているボタンを押すとそれだけで公開されてしまう。だんだん使いづらくなって、入力するのが億劫になってきた。
また無印良品とかAmazonや楽天はHMVにないものは登録できないし…。